こんにちは。chikoです。
これまで4回にわたって、セロトニンを活性化することの重要性と、その方法についてご紹介してきました。
今回は、脳全体の調子を整え、活動全般をコントロールする司令塔としてのセロトニンと、「意欲の神経」ドーパミン、「脳内危機管理センター」ノルアドレナリンとの関係についてご紹介します。
セロトニンを活性化することの重要性について、感じられるのではないかと思います。
【参考】セロトニンシリーズ




心が安定している時、脳の中で何が起きているのか?【興奮や不安を制御するもの】
「意欲の神経」ドーパミン
ドーパミンは、食欲や性欲など、生存本能に関わる「欲」を高める神経です。また、目標を達成するときに書かせない「意欲」とも関わっており、別名「意欲の神経」と呼ばれています。
私たちが意欲を持つと、ドーパミン神経が興奮し、“渇望したストレス状態”をつくります。自分が求めた結果として自分の内面からストレスが生じた状態です。この状態になると、ストレスがあったり、眠れなかったりしても、がんばれるようになります。好きなことに没頭しているときは、どんなに長い時間でも、あまり疲れを感じないことがあるかと思います。
自分が求めた結果としてのストレスなら、同じ時間の作業であっても、例えば胃が痛くなったり、うつ状態になったりと、病的なストレス状態にはならないのです。そして、目標が達成されると、よろこびや気持ちよさといった「快」を感じるようになっています。
ドーパミン神経が暴走してしまうと?
ドーパミンが分泌され、「やりたい」という意欲が出て、目標を達成していくと、達成感で満たされ幸せを実感することができます。しかし、いつも目標を達成できるとは限りません。
目標を達成できない状態が続き、心との折り合いがつかなくなると、「快」を求めてドーパミン神経が暴走し、依存症を引き起こすこともあるのだそうです。そのドーパミンの暴走を止めるのが、セロトニン神経です。ドーパミンに働きかけて誤作動を防止し、“平常心”を保つ働きをします。
「脳内危機管理センター」ノルアドレナリン神経
ドーパミンが、自分の内面から出るストレスと関わりがあるのに対して、外からのストレスと関係がある神経がノルアドレナリン神経です。
「脳内危機管理センター」として、外から肉体的ストレスや精神的ストレスを受けると、脳内物質のノルアドレナリンを分泌し、脳に警報を出します。すると脳は大急ぎで心拍数を上げ、脂肪からエネルギーを放出し、筋肉がすぐに動ける状態にします。さらに、血圧や血糖値を上げたり、脳に不安を感じさせたりもします。
私たちは自分で意識しなくても、ノルアドレナリン神経が危機回避の準備をしてくれるのです。また、注意力や集中力を高めるのもノルアドレナリン神経の役割。人が自分の身を守るために、とても重要な神経なのです。
ノルアドレナリン神経が暴走してしまうと?
外からのストレスが長く続くと、ノルアドレナリンの働きによって血圧や血糖値が上がったままとなり、高血圧や糖尿病になることもあります。また、うつ病などストレスをきっかけとした精神疾患になったりするのです。
さらに、ノルアドレナリン神経が暴走し、必要以上に危機感を煽るような情報が駆け巡ると、不安神経症やパニック障害を引き起こすことがあるといいます。
「平常心をつくり出す」セロトニン神経
ドーパミン神経もノルアドレナリン神経も、私たちにとって必要な神経ではあるものの、過剰に働いてしまうとさまざまな問題を起こしてしまいます。そこで、両者が適度に働くことをサポートしているのがセロトニン神経です。
セロトニン神経は、ドーパミン神経やノルアドレナリン神経に働きかけ、過剰な興奮や不安を抑えて平常心を保つ役割を果たしています。その結果、意欲や集中力が高まるのとともに、心が落ち着いてリラックスすることができます。
おわりに
脳全体の調子を整え、活動全般をコントロールする司令塔としての役割をもつセロトニン。同じく私たちの心や行動との関わりが深いドーパミンやノルアドレナリンの働きにも大きな影響を与えていることがわかります。
うつなどの精神疾患に使われる薬には、こういった脳内物質をコントロールする働きがあります。自分でコントロールできなくなった時、時に薬の力を借りることも必要ですが、できれば自分でコントロールできるようになりたいもの。日頃から、自分でセロトニンを活性化させておくことの重要性を感じます。
以上、心が安定している時、脳の中で何が起きているのか?【興奮や不安を制御するもの】でした。
参考文献:女30代からの「ストレス」を上手に消す方法